ジムニーはMT(マニュアル)がいいのか、AT(オートマチック)がいいのか。これはジムニー選びで必ず通る道ですよね。
自分もかなり悩みました。
そこで今回はMT、ATそれぞれを比較検討していきます。
そもそもミッションって何?
車の部品の中にトランスミッションと呼ばれるものがあります。一般にミッションと呼ばれているものはこのトランスミッションのことです。トランスミッションは、様々な歯車や軸などで構成され、エンジンから出力される駆動力を車輪へと伝える動力伝達装置のことです。別名、変速機とも呼ばれています。
トランスミッションの役割
トランスミッションは、自動車の走行状況に応じてギアを変更することで必要な駆動力を作る役割を担っています。例えば、急な上り坂では低速ギアにして回転数を落とす分力強く、平地で早く走行する場合は高速ギアにして速く、というように変速し駆動力を調節しています。こうすることで、エンジンに掛かる負担を抑え、効率よく自動車を動かすことができます。
トランスミッションの種類
代表的なものは、運転者が変速を手動で行うマニュアルトランスミッション(MT)と機械が自動的に変速してくれるオートマチックトランスミッション(AT)があります。
また、他にも変速ギアを使用せずに無段階で変速ができる無段変速機(CVT)や、MT車のシフトチェンジを自動化したオートマチックマニュアルトランスミッション(AMT)、クラッチを2枚にしシームレスな変速を可能にしたデュアルクラッチトランスミッション(DCT)なども開発されています。
MT、ATについて詳しく
MT(マニュアルトランスミッション)
運転時にクラッチやギヤチェンジなどの作業が必要となる。
MT(マニュアルトランスミッション)とは手動でギアの変更をするタイプの車のことです。ニュートラルやリバースなどの各種ギアが用意されており、中には7速以上が用意されている場合もあります。単にマニュアルと呼ばれることが多いです。
MT(マニュアルトランスミッション)の構造・仕組み
マニュアルトランスミッションの変速はクラッチ操作が伴います。クラッチペダルを踏むと、エンジンとトランスミッション間の駆動伝達が遮断され、エンジンからの駆動力が伝わらない状態となります。この状態で変速操作を行い、再度クラッチペダルを戻すとエンジンとトランスミッションが再び接続されるため、動力が伝わる仕組みとなっています。
AT(オートマチックトランスミッション)
AT(オートマチックトランスミッション)
AT(オートマチックトランスミッション)とは、従来運転者が自ら操作しなければならなかったギアの変更を機械が自動で行ってくれるタイプの変速装置をもつ車のことで、一般的には「オートマ」と呼ばれています。現在、日本で最も普及しているトランスミッションの種類で、日本国内で新車登録されている車の約98%はオートマ車です。
AT(オートマチックトランスミッション)の構造、仕組み
複雑なクラッチやギヤチェンジなどが必要ない、シンプルなシステム
オートマチックトランスミッションは数段の変速ギアがあり、エンジンの回転数や速度、アクセルの開度などに合わせて、その都度、油圧制御によって自動的に最適なギアにチェンジしてくれる仕組みです。
また、マニュアルにあるクラッチペダルはありません。クラッチの代わりにトルクコンバーターと言われる装置を搭載し動力伝達に用いています。この装置はエンジンとオートマチックトランスミッションの間にあり、中に入っているオイルを介して動力伝達ができるようになっています。アクセルを踏んでいないのに車が前へ動くクリープ現象が起こるので、停止する際にはずっとブレーキを踏む必要があります。
MT、ATのメリット
MT(マニュアル)車のメリット・デメリット
MT車のメリットは、「運転をしている」という実感にこそあります。
MT車は、クラッチ、アクセル、ブレーキ、ハンドル、ギヤチェンジと、両手両足を全て使うことからエンストなどの操作ミスに繋がる難しさはありますが、「運転している実感」を楽しめます。
クラッチがあるのでブレーキとアクセルを踏み間違えても車が急発進する可能性はほぼありません。
MT車はAT車よりギアボックス内部の構造が単純なため車体価格が安い傾向があります。
また、運転を重ね技術を高めることで、AT車に比べてスムーズな走りや燃費を抑えられる場合もあります。
それに対してMT車のデメリットは、ギアチェンジや足で操作するクラッチペダルの分、操作の負担が増えることです。また、操作を誤るとエンストを起こすこともあるので注意が必要です。
MT(マニュアル)車のメリット
・燃費がいいと言われている(運転の仕方による)
・ATに比べ車体価格が安い傾向
・ミッション操作感がほしい人は楽しめる
・踏み間違いの誤発進が実質無い
・駆動伝達ロスがない
・ミッション部分の機械的なトラブルが少ない
MT(マニュアル)車のデメリット
・運転操作が多い
AT(オートマチック)車のメリット・デメリット
AT車の最大メリットは操作が簡単なことです。
AT車はMT車に比べ運転時の作業が少なく、ハンドルとブレーキ・アクセルのみでほとんどの操作ができるので運転が楽にできます。
他にはアクセルを踏まなくても車が前進する「クリープ現象」により、坂道発進の時に下がりにくい仕様になっています。
ただし、デメリットとしてアクセルとブレーキの踏み間違いをした場合、急発進などのミスが起きやすいため、運転する際は注意が必要です。また、自動で変速するため細かいコントロールができないです。
AT(オートマチック)車のメリット
・運転中手があく(=ラク)
・坂道発進時に下がりにくい
・ハンドル操作に集中できる(クロカン時とかは特に)
・渋滞時にラク
・エンジンスターターの設置が可能
AT(オートマチック)車のデメリット
・踏み間違いの誤発進がおきる可能性がある
・細かなミッションコントロールがしずらい
ジムニーの使い方で違う
日常の通勤、買い物メインなのか、クロカンメインで使いたいのかでもだいぶ変わると思います。
自分の場合は、普段は街乗りメイン、週末はドライブ&たまに林道走りたい。
(本格的なクロカンの予定はない。)だからこそ悩みました。
街乗りか、クロカンかはっきりしていれば即決なのですが、いいとこ取りだと、どっちのいいとこも欲しくなりますね。
よく言われていること
ATはクロカンに向いていない、、訳ではない
よくそういう声は聞きますが、一概にMT=クロカンという訳では無いみたいです。
ジムニーでロック(岩場)が趣味の方に聞きました。
Q.「オートマだとクロカンで細かなギア調整とかできなくて使いづらいんですか?」
A.「そんなことなくて、オートマだとギア比が低くなってじんわり登りやすい時もある。仲間にもオートマの人はいる」とのことでした。
あとは、ATだとシビアな路面でハンドル操作、ラインを取ることに集中もできるようです。
ATは燃費悪い、、訳ではない
ATだと駆動伝達ロスがあり、スリップロスが生じて無駄な動きが増えて燃費に影響すると聞きます。ですが、乗り方(走り方)が一番影響すると思います。高速走行が多いのか、街中でストップ&ゴーが多いのか、急発進することが多いのか、燃費は機関の問題より走り方で大きく影響すると思います。
MTの方が運転が楽しい、、訳ではない
MTは運転する実感があるから面白いと言われています。自分もそうだと思います。
ただ、クルマ好きの種類も鉄道と一緒で色々ありますよね。見るのが好きな人、乗るのが好きな人、写真撮るのが好きな人、様々です。
クルマもカスタム・改造自体が好きな人、レースが好きな人、ドリフト操作が好きな人、クルマそのものよりもドライブが好きな人、楽しみ方は色々なので、一概に「MTの方が楽しい」とは言い切れないです。
JA11かJB64(新型)かでも違います。
JB64のAT車なら、スズキセーフティサポートの誤発進抑制機能を標準装備されているので安心を求める方には必須です。
JA22までのAT車は3速AT、現行型のJB64は4速ATで、変速による乗り心地も変わります。こうしたところも判断の基準になるかなと思います。
結論は・・・
結局「好きな方にすればいい」です。
結局その人の使い方、考え方ですね。
自分の場合は燃費や機能面の比較よりも「どっちが自分にとって楽しいか」という考えに行きつき、マニュアルにしました。
・現在MT車が少ない中、せっかくあるなら乗っておきたい
・ギアを操作しながら運転したい
こうした考えからMT車を選択しました。
自分にあったジムニーミッション選びができるといいですね。