今回は昔のジムニーを購入検討している方向けへ、購入時のチェックポイントを記載していきます。自分の所有しているジムニーの型式がJA11なのでそこを中心に記載します。
どんなジムニーライフを送りたいのか
ジムニーの楽しみ方は色々あると思います。
街乗りメインなのか、クロカンで遊びたいのかでも求めるものが全く違います。
街乗りメインであればなるべくキレイでサビや凹みがないものがいいでしょう。オフロード場や川遊びなどがメインなら外装のサビ、ハゲなど気にしないで機関さえ元気であればいいので、自分がジムニーをどういう使い方をするのかを決めておくと、こだわるところとそうでないところがはっきりして、余分な費用をかけることなく好みのジムニーに近づけることができます。
自分の場合は、街乗りメインで時々林道にも行きたい&色々カスタムも楽しみたいので、なるべくきれいな状態でカスタムベースのものを選ぶ。という目的でした。
この記事はクロカンをするジムニーには当てはまりません。街乗り仕様で状態のいい個体を探すためのチェックポイントを紹介します。
型式の違いを知る
ジムニー(JA11)は1990年〜1995年に発売されていたジムニーのモデルです。その中でも発売時期により1型〜5型に分かれます。
ざっくり言うと5型がスペック的には一番良いですし、JA11の中でも人気もあります。価格も5型は上がります。
第二世代でJA11と並んで比較されるモデルに、1995年〜1998年に発売されたJA12とJA22というものもあります。
大きな違いは、フロントフェイス周り、エンジン、サスペンションです。
このJA12とJA22との比較も説明していくと長くなってしまうので、また別の記事で紹介します。
今回はJA11に絞って型式の違いを簡単に説明します。
JA11
JA11-1型 1990年3月〜
- バンパーが大型化(前モデルより)
- グリルにSUZUKIエンブレム装着
軽自動車の規格拡大により全モデル(SJ30)より排気量が110ccアップ、前後バンパーも大型化。
フォグランプの位置が、バンパー上に変更され、コアサポートも前に膨らんだ形状となった。エンジンは全車インタークーラー付きターボに統一。
JA11-2型 1991年6月〜
- フロントグリル変更
- グリルが「S」マークエンブレム
- 蒲鉾型フロントバンパー
- グラフィカルなサイドストラップ
SUZUKIグリルからSグリルなど外観を変更。最高出力が58PSに向上。ラジエーターファンのシャフト接続を直結からフルードカップリング接続へ変更。酸化触媒、EGRの採用により、平成2年排出ガス規制に適合した。又、このモデルからアルミホイールもディーラーオプションで設定される。
1991年11月、限定車の「ワイルドウインドリミテッド」を発表。このモデルに限り、パワーステアリングが初めて装備される。
JA11-3型 1992年7月〜
- 3型からサイドミラーがピラーマウント
- 3速AT車設定
サイドミラーはドアミラーからフェンダーミラーに変更、助手席側にはアンダーミラーも装着。一部のグレードにパワーステアリングを標準装備し、バンHCには3速AT車が設定された 。
JA11-4型 1994年4月〜
- シートベルト未装着警告灯の装備
廉価グレード「バンHA」にパワーステアリングを標準装備。安全関連装備の見直しも行われる。
JA11-5型 1995年2月〜
- 特別仕様車「ランドベンチャー」登場
マイナーチェンジ。これに先駆け、特別仕様車の「ランドベンチャー」を発表。エンジンは最高出力が64PSへと向上した。
このマイナーチェンジは三菱・パジェロミニの発売を意識したもので、3速オートマチックトランスミッション、フルトリム内装など、それまであくまで実用車であることを優先してきたジムニーにとって、おおよそ考えられなかった装備が採用された。
トルク値に拘る場合、そして各種装備が充実しているのはやはり5型です。年式も数年ですが新しいので、迷ったら5型で間違いはないです。ただし、一番人気なので中古車で出ている台数も少ないのと、他の型式よりも値段は上がる傾向にあります。
ちなみに、自分のJA11は1型です。パワステ、エアコン、キーレスなどは後付けしているので、快適さでも他のモデルと同等程度かと思うので、個人的には街乗りメインで普段の足として使うならどの型式でも大差はないと思います。
旧車ジムニー購入の心構え
購入に際して、現在販売されているクルマと比較すると不便だし、ジムニーならではの心の準備は必要かなと思います。
ジムニーは旧車だと心得る
現行のJB64以前のJB23は発売から20年ほど、JA11は30年ほどたちます。もはや旧車と呼べるジャンルなので、不具合は当然でます。現代当たり前の快適機能はない。ということを念頭に入れておましょう。旧車を楽しむマインドですね。
自分で弄れるようになっておいた方がいい
これまでクルマは乗る専門で、自分でボンネットは開けることなんてほぼありませんでした。もちろん工具もゼロ。
でも、旧車ジムニーは錆が出てきたり、自分でカスタムを行ったり、修繕や整備が出てきます。ちょっとした知識や整備はできた方がいいです。
購入を機に少しずつ工具を揃えて色々自分でできることを増やしていきました。プラモデルを補修しているような感覚でジムニーの楽しみ方の一つです。
自分で手を加えることでより愛着も湧きます。
気長に納車を待つ
思わぬ整備、修理が必要になることもあります。予定の納期からずれ込むこともあります。
基本的に小規模の整備工場が専門店としてジムニーを扱うことが多いのでキャパが限られています。
不具合も修理も含めてジムニーを楽しめるマインドが大事かなと思います。
どこで買うのか
中古車販売サイト
購入時、最初に思い浮かぶのが「カーセンサー」や「グー」などの中古車販売サイトではないでしょうか。
どのお店や車がいいのかは画像だけでは判断しづらいと思います。
カスタムしたいなら専門ショップ
ジムニー専門ショップは、基本的な装備が備わったコンプリートセットで販売されていることが多いです。
パワステ、クーラー、キーレス、ダッシュボード塗装、シートカバー装着、ステアリング交換など、旧車ジムニーをおしゃれで快適に乗ることができるようにカスタムしています。
ジムニーを扱っている数も多いので、整備、カスタムなど色々な面で安心です。
カスタムパーツに関しても知識豊富なので相談に乗ってくれます。
ただ、お気に入りのショップが遠方なことがありますので、普段の整備は自宅から近い整備工場を探しておくことが大事です。
なるべく家から近い整備工場を探しておく
古い車なので故障やトラブルがいつ起きてもおかしくないなので、何かあった時に頼れる整備工場は近くにあったほうがいいです。
旧車ジムニーは現代の車に比べて簡単な構造です。たぶん、ジムニーを整備できない整備工場はないでしょう。
近くに頼れるお店があるのは心強いです。
専門ショップで車体から探してもらう
自分好みのカスタムイメージがあれば、専門ショップで車体から探してもらい、カスタムするのもオススメです。「型式」「ボディ色」「ボディ・フレームサビ状態」「ボディ形状」「各種カスタム」などなど自分好みに仕上げることできます。
ショップで販売されているコンプリート車よりは値段が上がる可能性はありますが、車体でこだわる部分を絞っておけば安価で購入できたりもするので、作り方次第では費用も抑えたうえで好みのカスタムも可能です。
車のチェック
保証の有無
古いクルマなので、保証をつけている販売店は少ないです。
ただ、保証はなかったとしても、せめて3日でも乗ってみて、走行に関わる重大な不具合が出た場合は対応してもらえるのか。などは事前に確認しておきたいです。
それでもオークション売買のように買った時点で「ノークレームノーキャンセル」という販売店は注意が必要ですね。
走行距離はあまり気にしない
走行距離は少ないに越したことはないですが、ジムニーは丈夫なのでしっかり整備すれば10万、20万kmは普通に走れます。走行距離表示は5桁メーターなので10万kmで一周します。
むしろ走行距離よりもどういう使い方をされてきたかが大事です。整備記録があればそれを参考にしたり、クロカンの使用歴があるのかどうかも重要な判断です。
使用歴
クロカン使用歴は完全にNGなのでやめておいた方がいいです。下回りのダメージ、横転、エンジンなどへの負荷など、かなり酷使した使用状況だからです。
車屋さんもお客さんからの下取り、オークションなどで仕入れてくると思いますが、以前の使用歴を把握できていない、あまりにも情報がなさすぎるクルマはやめておきましょう。そしてそれをよくわからないまま進めてくる車屋さんにも注意が必要です。
クロカンなどハードな使用をされていたのか、車屋さんに質問してみてください。
オーナー歴
ジムニー(特に古いもの)は数十年立っていますので、これまでのオーナー数は多くなりがちなので、一概にオーナー数が多いからといって問題はないですが、やはり、少ない方が長く大切に維持されていたのかなという推測ができるので、少なめの方がいいです。
保管状態
屋根付きの車庫か、屋外車庫かではボディやその他機関の劣化状態が違います。
できれば屋内保管の方がいいです。
地域
海側の地域による塩害。寒冷地による除雪剤によるボディ下まわりのサビが他の地域より発生しやすいです。海側や寒冷地で使われていた車両かなど車屋さんへ聞いてみてください。
自分の場合は、リアガラスに「寒冷地仕様」というシールがあり、たぶん寒い地域で乗られていたものだと思いますが、全体的にサビも少ない状態でした。
試乗ができるかどうか
これは絶対ではないですが、できれば購入前に試乗しておきたいです。
素人がちょっと乗ったくらいで不具合はわからないですが、明らかな異音がすれば気づけるはずです。マニュアルであればミッションの繋がり方、乗り心地も最初に確認したいです。
自分の場合は、車検がついていなかったので、敷地外にでることができず試乗はできませんでした。ここは車屋さんを信じてお任せしましたが、できれば試乗できるに越したことはありません。
エンジン・機関類
自分はエンジン内部のことはよくわかりません。なので、ここは信頼のおける車屋さんにお任せするしかないです。ただ、知識として把握しておくことは大事だと思うので、今後のメンテナンスのことも考えると各所の機関、役割は覚えておきたいところです。
自分の場合は、少しでもいい状態にしたかったので「各消耗部品など悪そうなところは取り替えてほしい」と伝えました。
外装・内装
古い車なので、少なからずキズ、凹み、サビ、褪せなどはあります。自分の中でどこまで許容できるかの基準は人それぞれですが、できる限りサビが少ない方がいいです。
サビ・キズ類は素人でも見つけやすい箇所です。納車後に発見してヘコまないように、購入前にしっかり確認するようにしましょう。
フェンダー周り
フロントとリアのフェンダー内部に錆が発生しやすいです。
フロントは雨水や泥が溜まりやすいです。ボンネットを開けて内部を確認しましょう。
リアは室内の湿気、結露により錆びやすいです。室内の内装パネルを剥がして確認します。ただ、パネルのビスが壊れてしまうかもしれないので車屋さんに確認しましょう。
自分の場合、納車後に両サイドのリアフェンダー内部にかなりのサビを発見したので、できれば事前に見ておきたい箇所です。
ボティ裏側
オモテでは綺麗に見えていても裏側が錆びていることもあるので、車体の下を除いて確認してみてください。
フレーム下回り
サビが少なくアンダーコートが塗布されているか。現在されていなくても、整備時にアンダーコート処理をしてもらえるのか聞くといいでしょう。
ルーフ周り
屋外保存されていたものなどがルーフの塗装がハゲていたりします。また、枝やキャリーなどでキズがついてそこが錆びていることもあります。(自分はそうでした・・・)
リアハッチ部分
引用:グーネットピット
結露や雨が入る場所なので、ジムニーの中でもリアハッチ部分の錆が一番わかりやすいです。普段は絨毯に隠れていることがあるのでめくって確認します。
ここが錆びていない個体を探す方が難しいと思いますので、発見した際はできれば板金をするようにしましょう。
まとめ
自分は購入後に「もっとここを確認しておけばよかった」ということが少なからずありました。事前に知っておくことでより理想に近い旧車ジムニーの購入につながると思います。
とはいえ、古い車なのでどこかしら不具合はあるものです。不具合を直していくことも楽しみの一つです。整備、修繕、カスタムで自分好みのジムニー作りをしていきましょう。